「燃費を良くするには、排気量を小さくすればいい」
これは、クルマの燃費についてよく言われることです。しかし、本当にそうでしょうか?
実は、排気量と燃費の関係は、一概には言えません。
例えば、排気量が大きい車でも、燃費が良い車はあります。一方で、排気量が小さい車でも、燃費が悪い車もあります。
では、一体何が燃費に影響するのでしょうか?
今回は、クルマの燃費について、排気量だけでなく、他の要素も踏まえて解説します。
燃費で車を選ぶ?燃費とは?
燃費とは、クルマが1リットルの燃料でどれだけ走れるかを表す指標です。燃費が良いクルマは、燃料代を節約できるだけでなく、環境にも優しいというメリットがあります。
燃費は、車種や走行環境、メンテナンス状態、車両重量などによって異なります。一般的な乗用車の燃費は10km/L程度、軽自動車は15km/L程度、ハイブリッドカーは20km/L程度が目安です。
燃費の良いクルマを選ぶメリット
燃費が良いクルマを選ぶことで、燃料代を節約することができます。また、燃料消費量が少ないため、CO2の排出量も少なくなります。環境に配慮した選択としても、燃費が良いクルマはおすすめです。
燃費を良くする方法
燃費を良くするには、以下のような方法があります。
- エコドライブを心がける
- タイヤ空気圧を適正に保つ
- エンジンオイルをこまめに交換する
- 車両重量を減らす
エコドライブを心がけることで、燃費を大きく改善することができます。エコドライブのポイントは、アクセルやブレーキを急発進・急停止させないこと、車間距離を十分に保つこと、アイドリングを短くすることなどです。
タイヤ空気圧が適正でないと、燃費が悪化します。タイヤ空気圧は、車の取扱説明書に記載されている適正値に保つようにしましょう。
エンジンオイルは、定期的に交換することで、燃費を良くすることができます。エンジンオイルは、汚れや劣化によって燃焼効率が低下するため、3,000kmから5,000kmを目安に交換しましょう。
車両重量を減らすことで、燃費を良くすることができます。車内に不要なものを積まないようにしたり、ルーフキャリアやカーナビなどの重量物を必要最低限に抑えたりするようにしましょう。
燃費が良い車は、経済的にもエコにも優れている!
燃費が良い車は、燃料代を節約できるだけでなく、環境にも優しいというメリットがあります。
燃費の良い車を選ぶメリット
燃料代を節約できる
燃費が良い車は、同じ量の燃料で長い距離を走行できるため、燃料代を節約することができます。例えば、燃費が10km/Lの車と20km/Lの車を比べた場合、同じ距離を走行するのに必要な燃料量は、2倍も違うことになります。
年間の走行距離が1万kmの場合、燃費が10km/Lの車で走行した場合の燃料代は約12万円ですが、燃費が20km/Lの車で走行した場合の燃料代は約6万円となり、年間で6万円の節約になります。
CO2排出量を抑えられる
燃費が良い車は、燃料消費量が少ないため、CO2の排出量も抑えることができます。CO2は地球温暖化の原因となるため、燃費が良い車を選ぶことで、地球環境に貢献することができます。
例えば、燃費が10km/Lの車と20km/Lの車を比べた場合、同じ距離を走行するのに排出するCO2の量は、約2倍も違います。
年間の走行距離が1万kmの場合、燃費が10km/Lの車で走行した場合に排出するCO2の量は約2.2トンですが、燃費が20km/Lの車で走行した場合に排出するCO2の量は約1.1トンとなり、年間で約1.1トンのCO2排出量の削減になります。
エコカー減税の対象になる
一定の基準を満たした燃費の良い車は、エコカー減税の対象になります。エコカー減税とは、燃費性能や環境性能に優れた自動車の購入時に、自動車取得税や自動車重量税の減税や免税措置を講じる制度です。
エコカー減税の対象となる車種は、燃費性能や環境性能によって、減税率や免税率が異なります。
排気量とは、エンジンのパワーを示す指標
排気量とは、エンジンが吸い込むことができる燃料と空気の量のことです。排気量が多いほど、エンジンが吸い込むことができる燃料と空気の量が多くなり、エンジンのパワーも強くなります。
排気量は、エンジンの性能を表すひとつの目安となります。排気量が大きいエンジンは、加速性能や登坂性能に優れ、高速走行も楽にこなすことができます。そのため、スポーツカーや高級車などの高性能車には、排気量の大きいエンジンが搭載されていることが多いです。
一方、排気量が小さいエンジンは、燃費性能に優れています。そのため、燃費を重視する軽自動車やコンパクトカーには、排気量の小さいエンジンが搭載されていることが多いです。
排気量とエンジンのパワーの関係
エンジンのパワーは、排気量とエンジン回転数によって決まります。排気量が大きいほど、エンジンが吸い込むことができる燃料と空気の量が多くなり、エンジン回転数を上げると、より多くの燃料と空気が燃焼することで、より大きなパワーを得ることができます。
例えば、排気量が1,500ccのエンジンの場合、エンジン回転数が6,000回転/分になると、1回の爆発で約100馬力のパワーを発揮することができます。一方、排気量が2,000ccのエンジンの場合、エンジン回転数が6,000回転/分になると、1回の爆発で約150馬力のパワーを発揮することができます。
排気量と燃費の関係
エンジンの燃費は、排気量とエンジン回転数、そしてエンジンの効率によって決まります。排気量が大きいほど、エンジンが吸い込むことができる燃料と空気の量が多くなり、エンジン回転数を上げると、燃料を多く消費することになります。
例えば、排気量が1,500ccのエンジンの場合、エンジン回転数が6,000回転/分になると、1リットルの燃料で約10km走ることができます。一方、排気量が2,000ccのエンジンの場合、エンジン回転数が6,000回転/分になると、1リットルの燃料で約8km走ることができます。
要するに!
排気量とは、エンジンが吸い込むことができる燃料と空気の量のことです。排気量が多いほど、エンジンのパワーは強くなりますが、燃費は悪くなります。車を選ぶ際には、排気量と燃費のバランスを考慮して、自分に合った車を選ぶことが大切です。
CVTはスムーズな加速と燃費性能を両立するトランスミッション
CVT(無段変速機)とは、エンジンの出力を無段階に変化させるトランスミッションの一種です。従来のAT(オートマチックトランスミッション)は、一定のギア比で出力を変化させるため、加速時にエンジン回転数が大きく上下し、振動や騒音が発生していました。
一方、CVTは、プーリー(滑車)の直径を変化させることで、無段階にギア比を変化させることができます。これにより、エンジン回転数を一定に保つことができ、スムーズな加速と静粛性を実現することができます。
CVTのメリットは、以下のとおりです。
- スムーズな加速
- 静粛性
- 燃費性能
CVTは、スムーズな加速と静粛性を実現できることから、高級車やミニバンなどの乗り心地重視の車種に多く採用されています。また、燃費性能にも優れているため、エコカーの普及にも貢献しています。
CVTの構造は、プーリーとベルトで構成されています。プーリーは、径が小さいほどギア比が高くなり、大きいほどギア比が低くなります。エンジン出力側のプーリーと車輪側のプーリーを連結するベルトの長さを変化させることで、無段階にギア比を変化させることができます。
CVTは、ATと比べて構造が複雑であるため、故障率が高いというデメリットがあります。また、ATに比べて価格が高いという点もデメリットとして挙げられます。
しかし、スムーズな加速と燃費性能を両立するCVTは、今後も自動車のトランスミッションの主流として普及していくと考えられています。