軽自動車は、日本の道路を走る車の半数以上を占める、国民的な車となりました。その人気の理由は、なんといっても経済性にあります。車検料や自動車保険料、税金などが普通自動車に比べて安く、維持費を抑えることができます。また、燃費も良く、ランニングコストが低く済むのも魅力です。
しかし、軽自動車にはデメリットもあります。車体が小さいため、高速道路の走行が制限されていたり、長距離の移動には不向きだったりします。また、安全性能が普通自動車に比べて劣る可能性があるという指摘もあります。
軽自動車の概要
軽自動車は、日本独自の自動車規格で定められた、小型で実用的な自動車です。普通車に比べて、その経済性や取り回しの良さから、日本では国民的な車種として親しまれています。
軽自動車の概要
軽自動車の定義は、道路運送車両法第3条第1項第10号に規定されています。それによれば、軽自動車とは、総排気量が660cc以下、全長が3.4m以下、全幅が1.48m以下、全高が2.0m以下、定員が4名以下、貨物積載量が350kg以下の自動車です。
軽自動車の歴史は古く、1949年に制定された道路運送車両法で初めて定められました。当時は、石油資源の確保と国民生活の向上を目的として、小型で燃費の良い自動車の普及を図ることが目的でした。
軽自動車の魅力
軽自動車の魅力は、大きく分けて次の3つが挙げられます。
- 経済性
軽自動車は、車検料や自動車保険料、税金などが普通車に比べて安く、維持費を抑えることができます。また、燃費も良く、ランニングコストが低く済むのも魅力です。
- 取り回しの良さ
軽自動車は、車体が小さいため、狭い道や駐車場でも取り回しがしやすいのが特徴です。また、小回りが利きやすいため、市街地での運転も楽にできます。
- 多様なラインナップ
軽自動車には、乗用車だけでなく、商用車やスポーツカーなど、さまざまな種類の車種があります。そのため、用途や好みに合わせて、自分に合った車種を選ぶことができます。
軽自動車の現状
軽自動車の普及率は、近年ますます高まっています。2023年には、軽自動車の普及率は50%を超え、年間に販売される新車台数でも軽自動車が4割を占めるまでに至りました。
軽自動車の人気の理由は、前述した経済性や取り回しの良さに加えて、近年では安全性能の向上や、デザインの多様化なども挙げられます。軽自動車は、今後も日本の自動車市場で重要な役割を果たしていくことが予想されます。
軽自動車に乗るメリット
軽自動車の維持費、その安さの理由
軽自動車の最大の魅力は、なんといってもその維持費の安さです。車検料や自動車保険料、税金など、さまざまな面で、普通自動車に比べて安く抑えることができます。
車検料
軽自動車の車検料は、普通自動車の半分以下です。これは、軽自動車のエンジン排気量が660cc以下に制限されているため、排気量に応じて課税される自動車税が安いことが理由です。
自動車保険料
軽自動車の自動車保険料も、普通自動車に比べて安く設定されています。これは、軽自動車の車両価格が安いため、万が一の事故の際の損害賠償額も小さく、保険料を抑えられることが理由です。
税金
軽自動車の税金は、普通自動車に比べて安く設定されています。
- 自動車税:軽自動車税は、軽自動車の排気量に応じて課税されますが、普通自動車の自動車税に比べて半分以下です。
- 重量税:重量税は、車両の重量に応じて課税されますが、軽自動車は車両重量が軽いため、普通自動車に比べて安く設定されています。
- 自賠責保険料:自賠責保険料は、車両の重量や排気量にかかわらず、車種ごとに決まっています。軽自動車は自賠責保険料が安く設定されています。
高速道路料金
軽自動車の高速道路料金は、普通自動車に比べて20%ほど安くなっています。これは、軽自動車の車両サイズが小さく、空気抵抗が少ないことなどが理由です。
このように、軽自動車の維持費は、さまざまな面で普通自動車に比べて安く抑えることができます。そのため、経済的な理由で車を検討している人にとって、軽自動車は魅力的な選択肢といえるでしょう。
軽自動車の“コンパクトさ”がもたらすメリット
軽自動車の最大の特徴は、その“コンパクトさ”です。全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下という規格に収まるため、日本の狭い道路や駐車場でも取り回しがしやすいのが魅力です。
このコンパクトさは、さまざまなメリットをもたらします。
- 駐車のしやすさ
軽自動車は、狭い駐車場でも縦列駐車やバック駐車がしやすいのが特徴です。住宅街や商業施設の駐車場を利用する機会が多い人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
- 取り回しの良さ
軽自動車は、車体が小さいため、市街地の狭い道でもすいすい走ることができます。また、小回りが利きやすいため、交差点やカーブでの運転も楽にできます。
このように、軽自動車のコンパクトさは、日本の住宅事情や交通事情に非常に合っています。そのため、軽自動車は、日本で最も普及している自動車種となっています。
軽自動車の燃費、その秘訣
軽自動車は、燃費の良さも大きな魅力です。車両重量が軽いため、少ないガソリンで走行することができます。
軽自動車の燃費は、普通自動車と比べて2~3倍も良いと言われています。これは、車両重量が軽いため、走行抵抗が小さいことが理由です。
また、軽自動車は、エンジンの排気量が660cc以下に制限されているため、エンジンが小さく、燃費の良い設計になっています。
さらに、軽自動車は、空気抵抗を抑える工夫がされています。例えば、ボディの形状を流線型にしたり、バンパーやサイドミラーにエアロパーツを取り付けたりするなどです。
このように、軽自動車の燃費の良さは、車両重量やエンジンの排気量、空気抵抗などのさまざまな要素が関係しています。
ただし、燃費は走行距離や走り方、渋滞などによっても左右されます。
例えば、短距離の走行ばかりしていると、エンジンが冷え切らず、燃費が悪くなる傾向があります。また、高速道路で急加速や急減速を繰り返すと、燃費が悪くなります。
そのため、燃費を良くするためには、走行状況に応じた運転を心がけることが大切です。
軽自動車は、購入時の手続きがスムーズ
軽自動車は、車庫証明や印鑑証明が不要なため、購入時の手続きがスムーズです。
車庫証明は、車を保管する場所を管轄する警察署に申請する書類です。印鑑証明は、市区町村役場で発行する書類です。
これらの書類の取得には、時間と手間がかかります。しかし、軽自動車はこれらの書類が不要なため、購入後すぐに車を運転することができます。
ただし、軽自動車の保管場所届出義務などの適用地域では、保管場所届出が必要になる場合があります。保管場所届出は、車を保管する場所の所在地を管轄する警察署に申請する書類です。
軽自動車の購入を検討している方は、事前に保管場所届出の必要性を確認しておきましょう。
軽自動車のデメリット
軽自動車の“コンパクトさ”がもたらすデメリット
軽自動車は、その“コンパクトさ”が魅力ですが、一方でデメリットもあります。その一つが、車内が狭いことです。
軽自動車は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下という規格に収まる必要があります。そのため、普通自動車と比べると車内が狭くなってしまいます。
車内が狭いと、後部座席の足元が狭くなったり、荷物を積むスペースが限られたりといったデメリットがあります。また、乗車人数が多い場合は、窮屈に感じてしまうかもしれません。
軽自動車の購入を検討している方は、車内が狭い点のデメリットも考慮しておきましょう。
軽自動車の“走行性能”の弱点
軽自動車は、その“コンパクトさ”と“経済性”が魅力ですが、一方で“走行性能”の弱点もあります。その一つが、パワー不足です。
軽自動車のエンジン排気量は660cc以下に制限されており、そのため、普通自動車と比べるとパワーが弱くなってしまいます。
パワー不足になると、坂道の加速や高速道路での追い越しなど、さまざまな場面で苦労することになります。
例えば、坂道を登る場合は、低速でゆっくりとアクセルを踏み込む必要があります。また、高速道路で追い越しをする場合は、十分な加速距離を確保しておく必要があります。
軽自動車の“乗車人数”の制限
軽自動車は、その“コンパクトさ”と“経済性”が魅力ですが、一方で“乗車人数”の制限というデメリットもあります。
軽自動車の最大乗員数は4人までと決められています。そのため、大人数でのレジャーや遠出には不向きです。
例えば、家族で旅行に行く場合、子供が3人以上いる場合は、軽自動車では乗車人数が足りません。また、友人や知人とのレジャーにも、人数によっては不便です。
さらに、乗員数が増えると、その分車両重量が増加します。すると、パワー不足や燃費の悪化といった問題も発生しやすくなります。
軽自動車の購入を検討している方は、乗車人数の制限も考慮しておきましょう。
軽自動車の“安全性”の課題
軽自動車は、その“コンパクトさ”と“経済性”が魅力ですが、一方で“安全性”の課題もあります。
軽自動車は、車両重量が普通自動車と比べて軽いため、万が一事故が発生した場合、衝撃を吸収する力が小さくなります。そのため、乗員や歩行者が受けるダメージも大きくなりやすいという問題があります。
また、軽自動車は、車体が小さいため、普通自動車に比べて視界が狭くなります。そのため、事故のリスクが高まるという問題もあります。
今回の記事では、軽自動車のメリットとデメリットを、それぞれの観点から詳しく解説しました。
「軽自動車の購入を検討しているけれど、まだ迷っている」という方は、ぜひ今回の記事を参考にして、自分にぴったりの車かどうかを検討してみてください。